育児休暇・育児休業について知ろう

出産一時金でもらえる金額、支払われるタイミング

出産一時金でもらえる金額、支払われるタイミング
前回のお話では、出産一時金を受け取る前に絶対確認することと、受け取れる申請方法が【2つ】あるとお話しましたね。 今回は、その一時金でもらえる金額と、もらえるタイミングを紹介します。また、今回で出産一時金の話を終えますので、最後に「そもそも出産一時金って何だろう?」という話もさせて頂きます。

出産一時金でもらえる金額ていくら?

医療保険制度(健康保険や国民健康保険など)における出産一時金については、平成21年10月から、お子さん1人につき42万円となっています。平成27年1月1日からの改正がありましたが、42万円のままで、変わっていません。 これは健康保険に加入もしくは、被扶養者になっていて、妊娠4カ月以上で出産した人の場合です。在胎週数が22週未満の方の場合や、「産科医療補償制度(*1)」に加入していない産院での出産の場合は、減額されて1人につき40万4000円(平成27年1月以降の出産分)です。

【注釈1】 産科医療補償制度とは、分娩に関連して重度脳性麻痺のお子さんとそのご家族の経済的負担を速やかに補償し、原因分析を行い再発防止等を目的とした制度です。現在、この制度へ加入している分娩機関の割合は99.9%です。

この出産一時金はお子さん1人に付きですので、双子の場合は2倍。三つ子の場合は3倍になります。その場合は用意する用紙も2倍、3倍になる点と、「多胎妊娠である」という担当医からの証明・記入してもらうことが大切です。 また、これは住まわれている地域の保険制度や条例によっては、プラスアルファで数万円プラスで払ってくれる自治体もあります。気になる方は会社の担当者や役所に聞いてみましょう。 非常に残念なことですが、死産や流産した場合でも、妊娠85日以上の場合は出産育児一時金の支給対象になります。

出産一時金をもらえるタイミング

出産一時金を受け取れる申請方法は【2つ】あります。1つが「直接支払」という方法と、もう1つが「受取代理」という方法でしたね。 直接支払制度や受取代理制度が利用できる医療機関で出産する場合でも、制度を利用するかどうかは妊婦の側で決められますが、この「直接支払制度」でも「受取代理制度」でもそうですが、基本は「立て替え制度」です。 実際に医療機関や病院などでかかった診察費や分娩・入院費を、42万円でまかない差額分をどうするかが出産一時金です。42万円を超えた場合は、差額分を直接、病院に支払います。逆に、42万円より安くて済んだ場合は、差額分を振り込んでもらうことができます。 ですので、先に42万円一括で貰えるわけでなく、病院や医療機関でどれくらいの金額がかかったかによって、その差額を振り込まれるのか、支払うのかが決まります。 また、出産費用が出産育児一時金等の額を下回る場合、差額分は管轄している保険機関によって異なりますが、2~4ヵ月後に自動的に被保険者に支払われます。 差額が振り込まれた時は、「出産育児一時金等支給決定通知書」(機関によって名前が異なる)が自宅に届きます。あとは金額がいくらかどうか、正しい金額が降り込まれているかを確認しましょう。

おまけ:そもそも出産一時金って何?

出産一時金とはいったい何なのでしょうか? そもそも妊娠や出産というのは、病気・怪我と違い、健康保険が使えないため、全額自己負担となります。その補填として払われるお金が出産一時金。正式名称「出産育児一時金」です。 故に出産手当金と違い、給与を貰う側の収入低下の補填ではありません。健康保険が使えない妊娠や出産費として使ってもらおうという補填・保障ですので、どの健康保険に入っていても払われます。サラリーマンやOLの被用者保険でも、船員の方の船員保険でも、公務員の方の共済組合でも、自営業の国民保険でもどれでも出ます。 (健保・国保の違いで手続きに違いはありますが)   以上で、おまけも含めて出産一時金の話を終わります。 引き続き、育児休暇関連のトピックスや豆知識も紹介していきますので、気になるものがありましたらお読みいただけると嬉しいです。
モバイルバージョンを終了